都内の私立高校、授業料無償化でも初年度にいくら払う?平均で約50万円が残る

2026年4月から、私立高校の授業料の支援は所得制限がなくなり、「私立高校も無償化」と言われるようになりました。ただし、無料になるのは授業料だけです。都内の私立高校に入学すると、入学金や施設費などで、平均で約50万円を初年度に自分で払うことになります。東京都の学費調査と国・都の制度から、実際にいくら残るのかを計算します。
「無償化」で無料になるのは授業料だけ
都内に住んでいて私立高校(全日制)に通う場合、授業料の支援は国と東京都の2本立てです。どちらも所得制限はありません。
| 制度 | 上限(年額) | 所得制限 | 対象 | 申請 |
|---|---|---|---|---|
| 国:高等学校等就学支援金 | 457,200円 | なし(2026年4月から) | 全国の高校生 | 学校を通して申請(2026年度は6月) |
| 都:私立高等学校等授業料軽減助成金 | 43,800円 | なし | 生徒と保護者が都内在住。都外の私立高校も対象 | 東京都私学財団に別に申請(2026年度は7月) |
| 合計 | 501,000円 | ― | 授業料が上限 | ― |
国の就学支援金は、2025年度までは年収およそ590万円未満の世帯で上限396,000円でした。法改正で、2026年4月からは世帯の収入に関係なく上限457,200円になりました。ただし、どちらの制度も対象は授業料です。
※授業料には施設費や積立費等は含まれません。
出典:東京都私学財団「私立高等学校等授業料軽減助成金」(2026年10月15日確認)
入学金や施設費、修学旅行の積立などは、支援の対象になりません。また、授業料が501,000円を超える学校では、超えた分も自己負担です。東京都私学財団は、助成は「在学校の授業料(保護者が負担した金額)が上限」としています。
初年度にいくら払う?平均で約50.7万円

東京都は毎年、都内の私立高校の学費を調べて公表しています。令和8年度入学者の初年度納付金の平均は100万7,549円で、前年度から2万112円上がりました。
| 費目(平均) | 令和7年度 | 令和8年度 | 支援の対象 | 払う時期 |
|---|---|---|---|---|
| 授業料 | 500,648円 | 512,882円 | 501,000円まで対象 | 毎年 |
| 入学金 | 254,311円 | 254,599円 | 対象外 | 入学時 |
| 施設費 | 35,715円 | 34,386円 | 対象外 | 入学時 |
| その他 | 197,397円 | 205,805円 | 対象外 | 毎年 |
| 初年度納付金(総額) | 987,437円 | 1,007,549円 | ― | ― |
平均の初年度納付金から支援の上限501,000円を引くと、初年度の自己負担は約50万6,549円です。内訳は、入学金・施設費・その他で約49.5万円、授業料の平均が支援の上限を上回る分が約1.2万円です。授業料の平均は前年度から1万2,234円上がっており、支援の上限を超えました。
学校によって119万円の差
平均はあくまで目安です。令和8年度の初年度納付金は、最高が194万2,300円、最低が75万2,000円で、約119万円の開きがあります。また、233校のうち75校(32.2%)が令和8年度に学費を値上げしました。志望校の学費は、東京都が公表している学校別の一覧か、各校の募集要項で確かめましょう。
2年目以降も毎年約22万円
東京都の調査では、入学金と施設費は入学時に一括で納め、授業料と「その他」は毎年度納める費目とされています。平均の額が続くとすると、2年目以降も「その他」205,805円+授業料の残り11,882円で、年約21.8万円の自己負担があります。3年間では、初年度の約50.7万円と合わせて約94万円が目安です(recoca試算)。このほかに、制服や教科書、通学費などがかかります。
都立高校との差
都立高校(全日制)は、入学料が5,650円です。授業料は年118,800円ですが、就学支援金の申請で受給認定されれば無料になります。入学時に学校へ納めるお金だけを比べると、都立は約6千円、私立は平均で約50万円と、「無償化」後も大きな差が残ります。都立にも教材費や修学旅行の積立などは別にかかります。
入学時の負担を軽くする制度
入学金そのものを返さなくてよい形で補助する東京都の制度は、今回調べた範囲では見当たりませんでした。使える可能性があるのは次の制度です。
| 制度 | 内容 | 条件 |
|---|---|---|
| 入学支度金貸付(東京都私学財団) | 入学時の費用のうち25万円を無利息で借り、在学中の3年間で返す | 都内在住。制度を設けている都内の私立高校に入学する場合。申込みは学校経由 |
| 私立高等学校等奨学給付金 | 授業料以外の教育費(教材費、学用品費など)を給付。全日制で年38,000〜152,000円 | 生活保護世帯や住民税の所得割額が一定未満の世帯 |
| 東京都育英資金 | 無利子の貸付 | 詳細は東京都私学財団で確認 |
国の就学支援金と都の授業料軽減助成金は、別々に申請が必要です。2026年度は、国の支援金が6月、都の助成金が7月に申請を受け付けました。都の助成金は2027年1月上旬に特別申請期間を設ける予定です。支援が決まるまでの授業料の扱いは学校によって違うので、入学前に納付の方法を学校に確かめておきましょう。
志望校を決める前に確かめること
- 入学金と施設費:支援の対象外で、入学時にまとめて納める。
- 授業料が50万1,000円を超えるか:超えた分は毎年自己負担。
- 「その他」の中身:毎年かかる費用なので、何にいくらかかるかを募集要項で確かめる。
- 都外に住んでいる場合:都の助成金は都内在住が条件。住んでいる県の制度を確かめる。
- 支援が決まるまでの授業料:入学前に納付の方法を学校に確かめる。
出典
出典:東京都「令和8年度 東京都内私立高等学校(全日制)の学費の状況について」、東京都私学財団「私立高等学校等授業料軽減助成金」、東京都私学財団「入学支度金貸付」、東京都私学財団「私立高等学校等奨学給付金」、文部科学省「高等学校等就学支援金制度」、文部科学省 施行通知、東京都教育委員会「都立高校の授業料等」。確認日は2026年10月15日です。
