都内の大学受験、前泊は会場の近くより「逆方向」の宿?朝8時の混雑率で選ぶ

夜明け前のビジネスホテルの机に、白紙のノート、腕時計、マフラー、水が置かれ、窓の外に都心のビルと高架の電車が見える写真風のイメージ(AI生成)
キービジュアルはAIで生成したイメージです。

地方から都内の大学を受けるとき、前泊の宿は「会場にいちばん近いホテル」を探しがちです。ただ、2月の私大入試の多くは平日で、試験会場へ向かう朝8時台は都内の通勤ラッシュと重なります。会場の近くが満室でも、ラッシュと逆向きに乗れる宿なら、落ち着いて会場に着けます。国土交通省の混雑率と各大学の入試要項から、会場別の宿のとり方をまとめます。

167%東京圏でいちばん混む区間(埼京線 板橋→池袋)7:51〜8:51、令和7年度
93%中央線各停 代々木→千駄ヶ谷7:49〜8:49、令和7年度
2/9〜13私大の試験日が集中した5日間2026年度入試。上智・青学・立教・中央・法政が重なる

朝8時台の電車はどれくらい混む?

国土交通省は毎年、路線ごとに朝いちばん混む1時間の混雑率を公表しています。混雑率の目安は次のとおりです。

100%:座席につくか、座席前の吊革につかまるか、ドア付近の柱につかまることができる。

150%:肩が触れ合わない程度。ドア付近の人が多くなる。

180%:肩が触れ合い、やや圧迫感がある。ドア付近の人は窮屈となり、体の向きを変えるのが困難となる。

出典:国土交通省「都市鉄道の混雑率調査結果(令和7年度実績)」資料1(2026年7月28日公表)

東京圏の平均は143%です。参考書を広げたり、ドア付近で体の向きを変えたりするのが難しい混み方の路線が、試験会場の近くにもあります。ここで大切なのは、国土交通省が公表しているのは混む向き(多くは都心へ向かう向き)の数値だけという点です。同じ路線でも、逆向きに乗ればピークの人の流れから外れます。

路線区間(混む向き)時間帯混雑率近くの会場
JR埼京線板橋→池袋7:51〜8:51167%立教(池袋)
JR中央線快速中野→新宿7:35〜8:35158%一橋(国立)、法政(小金井)
東京メトロ南北線駒込→本駒込8:00〜9:00156%東大(本郷)
東京メトロ丸ノ内線新大塚→茗荷谷8:00〜9:00154%中央(茗荷谷)
小田急小田原線世田谷代田→下北沢7:35〜8:35150%明治・専修(生田)
都営三田線西巣鴨→巣鴨7:40〜8:40146%東洋(白山)
京王線下高井戸→明大前7:45〜8:45145%明治(和泉)
東急田園都市線池尻大橋→渋谷7:50〜8:50138%駒澤(駒沢)
東急目黒線不動前→目黒7:50〜8:50133%東京科学大(大岡山)
京王井の頭線池ノ上→駒場東大前7:45〜8:45125%東大(駒場)
東急東横線祐天寺→中目黒7:50〜8:50124%慶應(日吉)
東京メトロ東西線高田馬場→早稲田8:00〜9:00104%早稲田
JR中央線各停代々木→千駄ヶ谷7:49〜8:4993%上智(四谷)など

数値は令和7年10〜11月の調査をもとにした平日の値で、2月の入試期の値ではありません。それでも、どの向きが混むかの目安になります。

会場別:どこに泊まれば「逆方向」になる?

都内の大学受験の前泊の宿を選ぶフローチャート。Q1 試験会場はもう分かっている?いいえなら、無料でキャンセルできる宿を仮押さえし、受験票が届いたら会場に合わせて選び直す(立教・法政・早稲田などは受験票で会場や号館が分かる)。Q2 会場は都心より外側(多摩・国立・日吉・生田・小金井・駒場など)?はいなら、新宿・渋谷など都心側の宿から下りで向かい、朝の混雑のピークと逆向きに乗る(都心へ向かう上りは中央線快速158%・京王線145%)。Q3 会場は都心のすぐ外側(池袋・茗荷谷・本郷・白山など)?はいなら、大手町・飯田橋など内側の宿から外向きに乗る(埼京線 板橋→池袋167%、丸ノ内線 新大塚→茗荷谷154%)。いいえで会場が都心(四ツ谷・御茶ノ水・市ケ谷・神保町など)なら、徒歩圏か空いている路線の沿線で乗り換えなしで着ける宿を選ぶ(中央線各停の代々木→千駄ヶ谷は93%)。出典:国土交通省 令和7年度の混雑率調査、各大学の2026年度一般選抜 入学試験要項
会場の場所によって、宿をとるエリアが変わります。

会場ごとに、混む向きと宿のとり方を整理しました。会場は2026年度入試(2026年2月実施)の要項によるもので、2027年度は変わることがあります。

都心より外側の会場:都心側の宿から下りで

会場(最寄駅)主な大学朝の混む向き宿のとり方
多摩(多摩モノレール 中央大学・明星大学)中央京王相模原線は調布へ向かう上り新宿側から京王線の下りで
国立(JR国立)一橋中央線快速は新宿へ向かう上り新宿側から中央線の下りで
小金井(JR東小金井からバス)法政中央線快速は新宿へ向かう上り新宿側から中央線の下りで
和泉(京王線・井の頭線 明大前)明治京王線は新宿へ、井の頭線は渋谷へ向かう向き新宿・渋谷側から。調布・八王子側からは混む向き
駒場I(井の頭線 駒場東大前)東大(文科)井の頭線は渋谷へ向かう向き渋谷側から
日吉(東急東横線 日吉)慶應(文・法など)東横線は渋谷へ向かう上り渋谷側から東横線の下りで
大岡山(東急目黒線・大井町線 大岡山)東京科学大(理工学系)目黒線は目黒へ向かう向き目黒側から目黒線の下りで
駒沢(東急田園都市線 駒沢大学)駒澤田園都市線は渋谷へ向かう上り渋谷側から
生田(小田急 生田・向ヶ丘遊園)明治(一部)、専修小田急は新宿へ向かう上り新宿側から小田急の下りで
冬の朝、空いている下りの電車で受験生が座ってノートを見ている。窓の外を通る反対方向の電車は通勤客で混んでいる写真風のイメージ(AI生成)
都心から郊外へ向かう下りは、朝のピークの流れと逆向きです(AI生成のイメージ)。

明治の和泉キャンパスは、要項で「入試当日は明大前駅から正門まで15〜20分程度(悪天候の場合は30分以上)」と案内しています。駅に着いてからも時間がかかる会場があるので、前日に一度歩いておくと安心です。

都心のすぐ外側の会場:内側の宿から外向きに

会場(最寄駅)主な大学朝の混む向き宿のとり方
池袋(池袋)立教埼京線・東上線・西武池袋線は池袋へ向かう向き新宿・大手町など都心側から池袋へ
茗荷谷(丸ノ内線 茗荷谷)、後楽園中央丸ノ内線は池袋側から茗荷谷へ向かう向き大手町・後楽園側から北へ
本郷(南北線 東大前)東大(理科)南北線は駒込側から南へ向かう向き四ツ谷・飯田橋など都心側から北へ
白山(都営三田線 白山)東洋三田線は巣鴨へ向かう向き大手町・神保町側から北へ

池袋は埼京線の板橋→池袋が167%と、東京圏でいちばん混む区間です。埼玉方面から池袋に入る路線は避け、都心側の宿から向かうほうが楽です。

都心の会場:徒歩圏か、乗り換えなしの沿線

上智(四谷)、明治・日大理工(御茶ノ水・駿河台)、法政(市ケ谷)、東京理科(神楽坂)、早稲田、青山学院(青山)、慶應(三田)などは、都心の会場です。どの向きから来ても人は多いので、徒歩圏の宿か、乗り換えなしで着ける宿を選びます。たとえば上智なら、中央線各停の代々木→千駄ヶ谷は93%と、混雑率が100%を下回っています。

会場は受験票が届くまで分からないことがある

同じ大学でも、会場が学部・科目・受験番号・受付順で分かれることがあります。宿を決める前に、自分がどこで受けるかを確かめましょう。

大学会場の決まり方(2026年度入試)宿の決め方
立教学部と関係なく受験票で池袋か新座受験票が届いてから。新座は志木駅から徒歩15分
法政東京会場は大学が指定(市ケ谷・小金井・市ヶ谷田町・TOC有明など)受験票が届いてから
早稲田早稲田・戸山・西早稲田のいずれか。受験票で号館まで指定3キャンパスとも東西線早稲田駅・副都心線西早稲田駅の近く
慶應学部と受験番号で日吉か三田(例:経済Aは受験番号で分かれる)受験番号が分かってから
明治学部別入試は科目で駿河台か和泉に分かれる学部がある選択科目で確かめる
中央受付順で会場を選ぶ(多摩・後楽園・茗荷谷など)早く出願すれば希望の会場を選びやすい
東京理科出願時に神楽坂・葛飾・野田から選ぶ出願時に宿の場所も考えて選ぶ
青山学院原則として青山。定員を超えると國學院大學渋谷キャンパスか相模原の場合あり受験票で確かめる

受験票を待っていると、試験日の近い宿が埋まっていくおそれがあります。無料でキャンセルできる期限が受験票の到着より後の宿を早めに押さえておき、会場が決まったら選び直すのが安全です。

雪や電車の遅れの日、大学はどうする?

2月の東京は雪が降ることがあります。多くの大学は、開始後20〜30分までの遅刻を認め、交通機関が大きく乱れたときは試験開始を繰り下げることがあるとしています。ただし、救済の対象は電車の遅れに限る大学が多い点に注意が必要です。

大学遅刻の限度交通の乱れへの対応(2026年度入試の要項など)
上智1時限目の開始後20分まで大幅な遅れは別室で受験、全体の繰り下げもあり得る。当日8時30分から遅延の連絡を受け付ける
明治1時限目の開始後30分まで開始を繰り下げることがある。悪天候が予想されるときは会場近くでの宿泊を勧めている
青山学院1時限目の開始後20分まで鉄道の大幅な遅れで繰り下げることがある。バス・車・飛行機の遅れでは繰り下げない
立教1時限目に限り30分までバス・タクシー・自家用車・飛行機の遅れでは繰り下げない
中央開始後30分まで利用路線に30分以上の遅れがある場合に対応。駅で遅延証明書を受け取る
法政開始後20分まで駅で遅延証明書を受け取り、係員に申し出る。自家用車・タクシーによる遅刻は救済しない
東京理科開始後30分まで大幅な遅れや運転見合わせで繰り下げることがある
東洋1時限目の開始後20分まで天候不良でも、まず会場に向かうよう案内。追試験・再試験は行わない

雪の予報が出たら、徒歩圏の宿に移せるかも考えておきましょう。タクシーで向かって遅れると救済されない大学があるので、電車で向かえる宿を基本にします。早稲田・明治・青山学院・中央・東京理科・専修は、災害などで来場できない場合に共通テストの成績で合否を判定する特例を2027年度入試で公表しています。

2027年2月の試験日と曜日

2027年2月1日は月曜日です。土日と祝日(2月11日・木)以外は平日で、朝の通勤ラッシュがあります。公表済みの主な日程は次のとおりです。

大学2027年度入試の試験日
日本大学N方式第1期 2月1日(月)
東京理科B方式 2月2〜8日
専修2月1・2日、前期 2月9・10・12・13日
明治全学部統一 2月5日(金)、学部別 2月7〜17日
東洋前期 2月8〜11日
慶應学部別 2月9〜18日
東大・東京科学大・一橋前期 2月25日(木)・26日(金)

2026年度入試では、上智・青山学院・立教・中央・法政の試験日が2月9〜13日に重なりました。複数の大学を続けて受けるなら、会場が変わるたびに宿を移すより、どの会場にも混む向きに乗らずに行ける1か所で連泊するのも手です。たとえば新宿の近くなら、和泉・多摩・国立へは下りで、四谷へは中央線各停で向かえます。

宿を予約する前に確かめること

  1. 会場とキャンパス:受験票、または出願した日程・科目で会場を確かめる。
  2. 乗る向き:宿から会場まで、上の表の「混む向き」に乗らないか。
  3. 乗り換えの回数:遅れたときに影響が大きいので、乗り換えなしか1回まで。
  4. 朝食の時間:入室の時刻に間に合う時間に食べられるか。開始時刻はホテルによって違う。
  5. キャンセルの期限:受験票の到着や、前の大学の合格発表より後まで無料か。
  6. 前日の下見:宿から会場まで一度歩き、駅の出口と所要時間を確かめる。

各大学の2027年度の要項は、早稲田・明治・上智・立教などが11月上旬に公開予定としています。会場や当日の対応は、受験する大学の最新の要項で確かめてください。

出典

出典:国土交通省「都市鉄道の混雑率調査結果を公表(令和7年度実績)」、同 資料3(路線別の最混雑区間)、明治大学 2026年度一般選抜 入学試験要項、慶應義塾大学 2026年度一般選抜要項、上智大学 2026年度一般選抜要項、青山学院大学 2026年度一般選抜要項、立教大学 2026年度一般入試要項、中央大学 2026年度入試要項、法政大学 2026年度入試要項、東京理科大学 2026年度一般選抜要項、東洋大学 2027年度一般選抜要項、早稲田大学 入試FAQ、東京大学 入試日程。確認日は2026年10月15日です。

出典:国土交通省「都市鉄道の混雑率調査結果を公表(令和7年度実績)」