滑り止めの入学金、本命の発表前に払う?主要私大18校の手続き期限カレンダー

国公立が第一志望でも、私立大学を滑り止めに受けておく家庭は多いはずです。気になるのが、滑り止めの入学金を、本命の合格発表より前に払わないといけないのかという点です。主要私大18校の要項を調べると、入学金の納入期限は2月中旬〜3月上旬に集まり、多くは国公立前期の合格発表(3月6〜10日)より先に来ます。期限の一覧と、少しでも負担を減らす方法をまとめます。
入学金は返ってこない、授業料は3月31日までなら返る
入学金と授業料では、辞退したときの扱いが違います。基準になっているのは2006年の最高裁判決です。
合格者が当該大学に入学し得る地位を取得するための対価としての性質を有し
出典:最高裁判所 平成18年11月27日 第二小法廷判決(平成17(受)1158)(2026年10月15日確認)
判決は入学金をこう位置づけ、入学を辞退しても大学は入学金を返す義務を負わないとしました。一方で授業料などは、3月31日までに辞退を申し出れば原則として返還されます。文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」も、3月31日までに辞退した人には授業料等の返還に応じるよう大学に求めています(専願・学校推薦型選抜などは除く)。つまり、滑り止めに払ったお金のうち戻らないのは、主に入学金です。
主要私大18校の入学金の期限カレンダー

学部や方式(一般方式、共通テスト利用など)で期限が違う大学は幅で示しました。2027年度入試の要項がまだ出ていない大学は、2026年度入試(2026年2〜3月)の実績です。
| 大学 | 入学金 | 入学金の期限 | 授業料など残りの期限 | 年度 |
|---|---|---|---|---|
| 慶應 | 20万円 | 3月1〜12日(多くは3月3・4日) | 3月12日。延納は3月24日(2026年度) | 2027 |
| 上智 | 20万円 | 共通テスト利用2月24日、その他3月2日 | 3月17日 | 2027 |
| 明治 | 20万円 | 2月18日〜3月5日 | 延納3月25日 | 2026 |
| 青山学院 | 20万円(文学部) | 2月22日〜3月5日 | 3月16日 | 2027 |
| 立教 | 20万円 | 2月27日 | 分納3月13日、延納3月24日 | 2026 |
| 中央 | 24万円 | 2月19日〜3月10日ごろ | 条件つき延長で3月25日 | 2026 |
| 法政 | 24万円 | 2月20日〜3月3日ごろ(共通テスト利用C方式は3月24日ごろ) | 延期手続3月24日 | 2026 |
| 東京理科 | 30万円(理学部第一部) | 2月16日〜3月5日ごろ | 3月11日(国公立の中・後期受験者は3月23〜25日) | 2026 |
| 日本大学 | 26万円(多くの学部) | 2月25日(法学部の例) | 3月11日 | 2027 |
| 東洋 | 25万円 | 2月26日(学費の半分も同時) | 延納なし | 2027 |
| 駒澤 | 18万円 | 2月25日 | 3月5日 | 2027 |
| 専修 | 20万円 | 2月18〜26日 | 延期で3月12日 | 2027 |
| 学習院 | 20万円 | 2月27日〜3月2日 | 延納3月18日 | 2026 |
| 成蹊 | 20万円 | 2月16日〜3月11日 | 延期申請で入学金だけ先に納める | 2027 |
| 成城 | 20万円 | 2月24日 | 3月4日 | 2026 |
| 明治学院 | 20万円 | 2月25日(仮入学金) | 入学手続案内で確認 | 2027 |
| 國學院 | 24万円 | 2月19日 | 3月8日 | 2027 |
| 武蔵 | 20万円(2026年度は24万円) | 2月26日 | 3月12日 | 2027 |
入学金の額は2026年度入学者の額で、駒澤・東洋・武蔵は2027年度入学者の額です。早稲田は要項を確認できなかったため載せていません。
国公立の合格発表はいつ?
国立大学協会の2027年度の実施要領では、前期日程の合格発表は3月6〜10日、入学手続の締切は3月15日です。後期日程の合格発表は3月20〜24日、手続の締切は3月27日です。
| 大学 | 前期の合格発表 | 前期の入学手続 | 後期の合格発表 |
|---|---|---|---|
| 東京大学 | 3月10日 | 募集要項で確認(共通ルールは3月15日まで) | 後期日程なし |
| 一橋大学 | 3月10日 | 2026年度は3月15日必着 | 3月23日 |
| 東京科学大学 | 3月9日 | 理工学系3月15日まで | 医歯学系3月23日 |
| 東京外国語大学 | 3月6日 | 3月15日まで | 3月20日(国際社会学部) |
| 東京都立大学 | 3月8日 | 2026年度は入学料の入金3月14日まで | 3月21日 |
| 横浜国立大学 | 3月6日 | 募集要項で確認(共通ルールは3月15日まで) | 3月20日 |
| 千葉大学 | 3月9日 | 3月15日まで | 3月20日 |
| 筑波大学 | 3月9日 | 3月9〜13日 | 3月20日 |
たとえば、2月25日が入学金の期限の私大2校(入学金20万円と24万円)に払い、3月10日に国立に合格して進学すると、入学しない2校の入学金44万円は戻りません。国立の入学料(一橋は28万2,000円)も別にかかります。
本命の発表まで待てる方法はある?
延納や2段階の手続で後に回せるのは、多くの場合授業料など残りの額だけです。そのうえで、入学金の負担を減らせる例もあります。
- 法政の共通テスト利用C方式:要項に「国公立大学の合格発表後に入学手続に必要な入学金・学費等を納入できる」とあり、入学金も後に回せます(2026年度入試)。
- 専修の手続延期:他大学の発表を待つ人は、入学申込金20万円を納めれば残りの手続を延ばせます。入学金にあたる額は先に納めます。
- 東京理科の延納:国公立の中期・後期日程を受ける人は、授業料など残りの額を3月23〜25日まで延ばせます。
- 入学金の引き下げ:駒澤は2027年度入学生の入学金を20万円から18万円に下げました。理由として「文部科学省の要請を踏まえ、受験生の進路選択における経済的負担を少しでも軽減したい」としています。
同じ大学でも、一般方式と共通テスト利用で期限が違うことがあります。入学金の期限が遅い方式を選ぶ、期限が本命の発表より後の大学を滑り止めにするといった組み方で、払う入学金を減らせることがあります。
国も動き出した:2025年の文科省通知
入学しない大学に納付する入学料が、学生や保護者にとって負担となっていることについて、国会等においても、度々、指摘されているところです。
出典:文部科学省「私立大学における入学料に係る学生の負担軽減等について(通知)」(2025年6月26日)
文部科学省はこの通知で、入学しない学生が払う入学料の負担を軽くする方策を私大に求めました。例として、入学料を納める時期を複数回設けることも挙げています。2025年11月末時点の調査では、私立の大学・短大836校のうち83校が2026年度入試で対応し、39校が2027年度入試から対応する予定と答えました。
| 2026年度入試での対応(83校、複数回答) | 校数 |
|---|---|
| 納付期限の後ろ倒し | 39 |
| 辞退の時期に応じて入学料の全部または一部を返還 | 25 |
| 経済的に困難な学生への配慮 | 17 |
| 入学料の引き下げ | 15 |
2026年5月に出た「令和9年度大学入学者選抜実施要項」にも、入学料の額の抑制と負担軽減の方策に努めるよう新たに書き込まれました。ただ、今回調べた主要私大では、入学金を辞退後に返す制度は見当たりませんでした。期限を後ろにずらす大学が出てくる可能性はあるので、2027年度の要項で確かめましょう。
出願前に確かめること
- 本命の合格発表日:国公立前期なら3月6〜10日。私大が本命なら、その大学の発表日。
- 滑り止めの入学金の期限:本命の発表より前か後か。方式ごとに違うことがある。
- 入学金の額:18万〜30万円と大学で差がある。
- 延納や延期の条件:残りの額を3月下旬まで待てるか。申請が必要か。
- 3月31日までの辞退の手続:授業料などを返してもらう方法と期限。
早稲田・上智・明治・立教・法政は2027年度の一般選抜要項を11月上旬、中央・青山学院は11月中旬に公開する予定です。期限や額は、受ける大学の最新の要項で確かめてください。都内で受験するときの前泊の宿の選び方は都内の大学受験、前泊は会場の近くより「逆方向」の宿?にまとめています。
出典
出典:文部科学省「私立大学における入学料に係る学生の負担軽減等について(通知)」、文部科学省「入学料に係る学生の負担軽減に関するアンケート結果」、文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」、最高裁判所 平成18年11月27日判決、国立大学協会「2027年度 国立大学の入学者選抜についての実施要領」、駒澤大学「2027年度入学生の入学金について」、法政大学 2026年度入試要項、専修大学 2027年度入試要項、慶應義塾大学 一般選抜、上智大学 入試日程、立教大学 2026年度一般入試要項、日本大学 入学手続、武蔵大学 2027年度入試要項、ほか各大学の入試要項・入学手続要項。確認日は2026年10月15日です。
