家は賃貸か購入か、2026年は「何年住むか」と「金利」で決まる|首都圏の中古マンションで35年分を計算

分かれ道の先に、左はマンション、右は木のある一戸建てが建ち、道の手前に真ちゅうの鍵が落ちているイラスト(AI生成)
イラストはAIで生成したものです。

「家賃を払い続けるのはもったいない」「でも金利が上がっているのに買って大丈夫?」。2026年は、家賃も金利も上がっていて迷いやすい年です。この記事では、首都圏の中古マンション(平均62.85㎡・5,129万円)を例に、借りた場合と買った場合の住居費を、今の金利と家賃で計算しました。結論を先に言うと、分かれ目は「何年住むか」と「どの金利で借りるか」です。

26.7万円同じ広さを借りたときの毎月の家賃首都圏の分譲マンション賃料から計算
16.7万円変動金利1.195%で買ったときの毎月の負担返済+管理費+修繕積立金
約7年買ったほうが支払いの合計が少なくなるまでフラット35なら約21年

計算の前提

項目前提根拠
物件首都圏の中古マンション 62.85㎡・5,129万円(築28年)東日本レインズ 2026年8月の成約平均
買うときに用意するお金頭金1割(約513万円)+諸費用7%(約359万円)=約872万円諸費用は中古で6〜8%が目安とされる(三井住友銀行)
住宅ローン4,616万円、35年、元利均等―
金利変動1.195%/変動が2.5%に上がった場合/フラット35の3.83%三菱UFJ銀行の最優遇金利、住宅金融支援機構(いずれも2026年10月)
管理費月1万1,503円国交省「令和5年度マンション総合調査」の平均
修繕積立金月2万1,055円(335円/㎡)国交省「修繕積立金に関するガイドライン」の目安
家賃月26万6,610円(4,242円/㎡)東京カンテイ 2026年8月の首都圏の分譲マンション賃料

固定資産税・都市計画税、火災保険、賃貸の更新料や引っ越し代は、物件や契約で大きく違うため含めていません。また、家賃は首都圏の分譲マンション全体の平均なので、築28年の部屋を借りるなら、実際の家賃はこれより安い可能性があります。その場合は、買うほうが有利になるまでの年数がもう少し伸びます。

毎月の住居費は、変動金利なら買うほうが約10万円少ない

借りる(家賃)
約26.7万円
買う:フラット35(3.83%)
約23.2万円
買う:変動が2.5%に上がったら
約19.8万円
買う:変動(1.195%)
約16.7万円
毎月の住居費(買う場合はローン返済+管理費+修繕積立金)。recocaの試算

変動金利1.195%だと、毎月の返済は約13.5万円で、管理費と修繕積立金を足しても約16.7万円です。同じ広さを借りる約26.7万円より毎月約10万円少なくなります。全期間固定のフラット35(3.83%)でも、約23.2万円と家賃より約3.5万円少ない計算です。ただし変動金利は上がることがあり、2.5%になると返済は約16.5万円、住居費は約19.8万円に増えます。

天びんの片方の皿にマンションと硬貨の山、もう片方に一戸建てと硬貨・工具箱・卓上カレンダーがのり、手前に電卓が置かれているイラスト
買うときは、返済のほかに初期費用や修繕のお金もかかります(イラスト)。

何年住むと「買ったほうが安い」になる?

毎月の負担が少なくても、買うときには頭金と諸費用で約872万円を最初に払います。この差を毎月の差で取り返すまでは、借りていたほうが支払いの合計は少なく済みます。初期費用を含めた支払いの累計で比べると、次のようになります。

住む年数借りる買う(変動1.195%)買う(フラット35 3.83%)
5年約1,600万円約1,875万円約2,266万円
10年約3,199万円約2,877万円約3,659万円
20年約6,399万円約4,882万円約6,446万円
35年約1億1,198万円約7,890万円約1億627万円
金利買ったほうが累計で少なくなる時期
変動1.195%のまま約7年4か月後
変動がはじめから2.5%だった場合約10年7か月後
フラット35(3.83%)約21年2か月後

つまり、5年程度で住み替えるかもしれないなら借りるほうが支払いは少なく、長く住むほど買うほうが有利になります。ただしこの表は「払ったお金」だけを比べています。買った場合は、途中で売れば売却代金からローンの残りを返したお金が手元に残りますが、売れる価格は分からないので含めていません。

35年の総額で比べると

借りる(家賃が毎年1%上がる)
約1億3,328万円
借りる(家賃がそのまま)
約1億1,198万円
買う:フラット35(3.83%)
約1億627万円
買う:変動(1.195%のまま)
約7,890万円
35年間に払う住居費の合計(買う場合は初期費用を含む)。recocaの試算

35年住んだ場合、変動金利が1.195%のままなら買うほうが約3,300万円少なく、フラット35でも約570万円少なくなります。さらに、中古住宅の住宅ローン控除(2,000万円までの年末残高の0.7%、10年間)を満額受けられれば、最大140万円、税金が戻ります。逆に、築63年になる35年後のマンションにどれだけの価値が残るか、建て替えや大規模な修繕の費用がどうなるかは、誰にも分かりません。

2026年に知っておきたい3つの変化

  1. 金利が上がっている:日本銀行は2026年6月に政策金利を1.0%へ、9月に1.25%程度へ引き上げました。フラット35(21〜35年、融資率9割以下)の10月の金利は3.83%です。変動金利も、大手銀行の最優遇で約1.2〜1.5%に上がっています。
  2. 家賃も上がっている:アットホームの調査では、東京23区の50〜70㎡のマンションの家賃は2026年8月に26万3,469円で、前年同月より6.5%高く、2015年以降の最高値です。
  3. 新築は高く、中古が選ばれている:首都圏の新築マンションの平均価格は2025年に9,182万円と過去最高です。フラット35の利用者でも、中古住宅の割合が35.9%と初めて最多になりました。首都圏の中古マンションの年収倍率は6.2倍、新築は8.4倍です。

借りるのが向く人、買うのが向く人

曲がりくねった道に沿って、引っ越しの段ボールが置かれたアパート、ベビーカーのある家、リュックと自転車のある家、庭に椅子とティーポットのある家が並ぶイラスト
どの時期に、どこに、何年住むかで答えが変わります(イラスト)。
借りるのが向く人買うのが向く人
転勤や転職で、数年のうちに引っ越すかもしれない同じ地域に10年以上住むつもりがある
家族の人数や子どもの学校がまだ決まっていない子どもの学区や必要な広さが決まっている
頭金と諸費用(物件価格の2割前後)を用意すると、手元のお金が少なくなりすぎる頭金と諸費用を払っても、生活費の半年分程度の蓄えが残る
金利が上がったときの返済の増加が不安返済が月数万円増えても払える、または固定金利を選べる
建物の修繕や管理組合のことに関わりたくない老後に家賃を払い続けることが不安

中古マンションの住宅ローン控除(2026年以降の入居)

既存住宅の性能借入限度額(子育て・若者夫婦世帯)控除期間
長期優良・低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅3,500万円(4,500万円)13年
省エネ基準適合住宅2,000万円(3,000万円)13年
その他の住宅2,000万円10年

控除率は0.7%で、合計所得2,000万円以下、床面積40㎡以上(上乗せを使う場合などは50㎡以上)が条件です。子育て・若者夫婦世帯は、19歳未満の扶養親族がいる世帯か、夫婦のどちらかが40歳未満の世帯です。性能の証明がない中古は「その他の住宅」になるので、買う前に不動産会社に確かめましょう。入居した最初の年は確定申告が必要です。

自分の数字で比べる手順

  1. 住みたい地域で、同じ広さ・同じくらいの築年数の賃貸の家賃と、売りに出ている部屋の価格を調べる
  2. 売り物件の管理費と修繕積立金を確かめる。修繕積立金が国交省の目安(小規模なマンションで335円/㎡前後)より大幅に安いと、将来値上げされることがある
  3. 頭金と諸費用を引いても、手元に蓄えが残るか確かめる
  4. 変動金利なら、金利が1〜1.5%上がったときの返済額も計算しておく
  5. 「何年住むか」を家族で話し合い、上の表の分かれ目(約7〜21年)と比べる

ちなみに、日本の持ち家率は60.9%(2023年、総務省)で、2018年よりわずかに下がっています。どちらが正解というより、暮らし方と住む年数で選ぶものだと考えると迷いが減ります。住まいの設備を整えるならスマートロックの選び方もご覧ください。

出典

出典:東日本不動産流通機構「月例速報 サマリーレポート(2026年8月度)」、東京カンテイ「分譲マンション賃料(2026年8月)」、アットホーム「全国主要都市の賃貸マンション募集家賃動向(2026年8月)」、住宅金融支援機構「フラット35 借入金利の推移」、三菱UFJ銀行「住宅ローン金利」、日本銀行「金融市場調節方針の変更について」(2026年9月18日)、国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」、国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」、国土交通省「住宅ローン減税」、不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向 2025年」、住宅金融支援機構「2025年度フラット35利用者調査」、総務省「令和5年住宅・土地統計調査」、三井住友銀行「住宅購入時にかかる諸費用」。確認日は2026年10月12日です。試算は一つの例で、金利・家賃・物件価格の将来を保証するものではありません。

出典:東日本不動産流通機構「月例速報 サマリーレポート(2026年8月度)」