ひとり社長の役員報酬、社会保険料はいくら?年600万円を月給だけで払うと会社と本人で年約170万円

税金・給与
朝の光が入る小さな事務所で、机にノートパソコンと印鑑ケース、白紙の書類の束が置かれている写真風のイメージ(AI生成)
キービジュアルはAIで生成したイメージです。

社長ひとりの会社でも、役員報酬を払えば健康保険と厚生年金に入ります。保険料は会社と本人で折半しますが、ひとり社長にとっては両方とも自分の財布から出るお金です。役員報酬の決め方でこの負担がどう変わるかを試算します。

ひとり社長でも社会保険に入る

法人は、従業員がいなくても健康保険・厚生年金の適用事業所です。報酬を受ける代表者も被保険者になります。雇用保険は労働者のための保険なので、役員は原則として入りません。

役員報酬は自由に決められない

法人税では、役員に払う給与のうち、次の3つに当てはまらないものは経費(損金)になりません。

  • 定期同額給与:毎月同じ額を払う役員報酬。額を変えられるのは、原則として事業年度のはじめから3か月以内です。詳しくは定期同額給与は年1回しか変えられない。
  • 事前確定届出給与:支給する時期と額を前もって税務署に届け出た、いわば役員のボーナス。
  • 業績連動給与:一定の要件を満たすもの。同族会社のひとり社長は使いにくい仕組みです。

年600万円の役員報酬で比べる

天秤の片側に会社の建物、もう片側に人と盾があり、建物から人へ硬貨が渡っているイラスト
ひとり社長は、会社分も本人分も自分の財布から出るお金です(イラスト)。
項目月給50万円×12か月月給20万円×12か月+事前確定届出給与360万円違い
役員報酬の年額600万円600万円同じ
標準報酬月額50万円20万円30万円低い
月給分の保険料(会社+本人、年)1,702,800円681,120円―
賞与分の保険料(会社+本人)0円637,380円厚生年金は150万円分まで
合計1,702,800円1,318,500円年384,300円少ない

協会けんぽ東京支部・40歳未満で、2026年度の料率(健康保険9.85%、子ども・子育て支援金0.23%、厚生年金18.3%)を使って recoca が計算した目安です。差が出るのは、厚生年金の標準賞与額の上限が1か月150万円で、360万円のうち210万円には厚生年金保険料がかからないためです。賞与の上限についてはボーナスの社会保険料で解説しています。

保険料を減らすと減るもの

  • 将来の厚生年金:標準報酬月額と標準賞与額をもとに計算されるため、保険料がかからない部分は年金にも反映されません。
  • 傷病手当金・出産手当金:標準報酬月額をもとに計算されるので、月給を低くすると休んだときの給付も少なくなります。
  • 届出どおりに払う義務:事前確定届出給与は、届け出た時期と額どおりに払わないと損金になりません。業績が悪くても払う必要があり、資金繰りの計画が必要です。

事前確定届出給与の届出期限

法人が役員に対して支給する給与の額のうち定期同額給与、事前確定届出給与または一定の業績連動給与のいずれにも該当しないものは損金の額に算入されません。

出典:国税庁 No.5211「役員に対する給与」(2026年10月10日確認)

事前確定届出給与は、株主総会などで決議した日から1か月後と事業年度のはじめから4か月後のうち、早い日までに税務署へ届け出ます。設立1期目は設立の日から2か月後が基準です。役員報酬の決め方は税金と社会保険の両方に影響するので、税理士にも相談しながら決めましょう。

月給と賞与の配分ごとの保険料は、recoca の給与シミュレーターで比べられます(表示されるのは本人負担分と会社負担分です)。

給与・賞与最適化社会保険料を最適化して手取り額を最大化

出典

出典:国税庁 No.5211「役員に対する給与」、国税庁「定めどおりに支給されたかどうかの判定(事前確定届出給与)」、日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き」、日本年金機構「厚生年金保険の保険料」、協会けんぽ東京支部。保険料の額はこれらの料率で recoca が計算したものです。確認日は2026年10月10日です。

出典:国税庁 No.5211「役員に対する給与」